Origami Gallery
 
 
 
 
2019年6月
 
The report of the Poland Kraków
18th Outdoor Origami Meeting
 

ポーランドのおりがみグループ Galician Group Origami (以下GGO) は、今年創立18 年を迎えます。
日本では 現在成人年齢は20 歳ですが、ポーランドでは18 歳が成人年齢。
大人になった記念の意味もあり、その記念すべき 第18回 Outdoor Origami Meeting(以下OOM) にスペシャルゲストとして 招待されました。

さて、今回のOOM の旅を振り返ってみましょう。

右上の画像が今年のポスターです。
英語とポーランド語で書かれていてさかさまにするとよくわかります。
会合もポーランド語と英語のみで行われます。 ポスターを見てわかるように、OOM には毎年テーマがあるのです。

ちなみに過去4年間のテーマとゲストは次の通りです。

  • 2018 - ORIGAMI JUNGLE (おりがみジャングル) Alessandra Lamio and Alessandro Beber (Italy)
  • 2017 - POSTINDUSTRIAL URBAN SPACE (脱工業化社会 都市空間) Sebastian Limet (France)
  • 2016 ‐ ORIGAMI - TECH (おりがみ技術) - Robert J. Lang (USA)
  • 2015 HYBRIDS( ハイブリッド)- Daniel Chang (Germany)


今年のテーマは、Holidays (休日)
折図集の作品は、そのテーマに沿って作らないとなりません。
私のholiday は、タイのパタヤで 見た愛らしい「りす」が忘れられなかったので、森の中にいろんな小動物に会いにいくという 内容にしました。
決まると、りす、小鹿、ハリネズミ、切り株などが私の手のひらからどんどん生まれました。

日本のことも何か紹介したいと思っていたら、八重桜のお皿もできました。 それらはすべて折図集に紹介されています。

 

ポーランドは、地図を見てわかるように、ドイツ、チェコ共和国、スロバキア、ウクライナ、 ベラルーシ、リトアニアそしてロシアに囲まれていて、北はバルト海に面しています。今回、 ポーランドの京都といわれている美しい街クラクフでOOM は開催されました。

ポーランドとスロバキアの境には、山脈が連なり、ザコパネは有名な避暑地です。本土 は北に向かって草原のようななだらかな美しい平野が広がっています。 ヴィスワ川は、ポーランドで最長の川。全長は1,047km、流域面積はポーランド国土の 60% 以上におよびます。ポーランド南部のベスキディ山脈の標高1,106m 地点に源を発し、 ポーランド国内を大きく蛇行しながら北へ流れ、バルト海へと注いでいます。

このヴィスワ川Vistula)が、折り紙の初日に関係してきます。

下のバナークリックするとパネルが開閉します。レポートをお楽しみください。
 
Day 1 - 5月2日(木曜日) 18th Outdoor Origami Meeting
写真をクリックすると拡大画像が見られます
16時からヴィスワ川に沿って「アーティスト折り紙散歩」が始まりました。
ヴィスワ川にかかる5つの橋について、リーダーのトーマスが歩きながらその説明をしていきます。
さて、下の地図をご覧ください。一緒に参加してみましょう!
 
1. Most Marszałka Józefa Piłsudskiego

最初の橋は5つの中でも一番古い鉄骨構造の橋です。長さ147.7m。重さ1200 トン。 現在補修工事中。

このクラクフで最も古い橋は、子供のころ習って 一番人気のあったボートの折り紙を彷彿させます。このおりがみボートは大人になっても帽子としても使用することができます。

この橋は 子供のころと大人になった今を線で結んだようです。(1 次元)
子供のころの小さな楽しみを思い出させてくれます。 大人になった私たちも今そのシンプルな折紙モデルを一緒に折ってみましょう。
ということで、コピー用紙が配られ伝承のボートを折りました。
 
2.Kładka Ojca Bernatka

2 番目の橋は、歩行者、自転車用の橋です。長さ145m、重さ700トン。
アスリートの彫刻が飾ってあるのが見えますか?
その下には、南京錠が たくさん見えます。

恋人たちは、縁結びの南京錠を2人の愛が永遠になりますようにと想いを込めて鍵を橋に掛けます。南京錠をあけるための鍵を、2人で川に投げ捨てることでこの南京錠が「永遠の愛の鍵」 となると言われています。

夜はイルミネーションでとてもきれいな橋です。 2015年の OOMのアーティスト折り紙散歩では、クリスティーナさんの考案した 折り紙南京錠を、みんなで折って橋にかけました。

この2 番目の橋は、2つの岸を結ぶいわゆる2 次元の橋。 南京錠のように折り紙と私たちを永遠につなぐ橋でしょう。
 
3. Most Powstanców Slaskich (ホフスタンツフ シロスキフ橋)

3 番目の橋は、148mの長い橋です。
1913 年に開通しましたが、1945年1月第二次 世界大戦中にドイツ軍によって破壊されましたが、すぐ2 月に再建されます。そして 1971年に再設計されました。柱は昔の構造のまま使用され、飛行機の翼のような現代的な橋が設置されました。中は空洞なので、橋の重さは軽くなっています。

この ような建設を理解するために最も簡単なプリーツ折をみんなで折りました。何回も折ることで、普通のコピー用紙でさえも強度が増します。これは、2つの岸を結ぶ3 次元の橋ということになります。

コンピューター用語で、“Keep It Simple Stupid"
「構造をできるだけ簡潔にしなさい」という言葉があります。
設計の単純化は、成功への鍵になります。その言葉が当てはまるでしょう。
 
4. 50°02'59.1"N 19°57'18.7"E

4番目の橋は、列車のための橋です。212mの長さです。
これは、次のお気に入りの5番目の橋を紹介するために必要です。
これは隠れた形でもあります。

何か新しいものを創作するときに、あなたは途中の作品、難しくてちょっと変な必要ないものを作らないとならないことがある。しかしそれがしばしば、代表作と次の成功する作品への架け橋となります。

 
5. Most Kotlarski

6番目の橋は、私の大好きなクラクフの橋です。
166m、重さ5千トン。ポーランドで 一番長い橋です。そして世界でも最長のアーチ型の橋です。

支柱は、川にはありません。左右から2 レーンの道路があり他の狭い橋と比べとても快適な運転ができます。 中央にはクラクフの高速道路が走っています。両脇にはそれぞれ歩行者、自転車用の道になっています。

実際この橋がどうしてこんなに自分を穏やかな気持ちにさせるのか説明するのは難しいですが、おそらくそこが折り紙と同じポイントです。

最後の私たちの折り紙散歩の作品は、私たちの心をつかむ素晴らしい作品、平織りです。 ボートテッセレーションをみんなで座って折りました。そして、ユースホステルへゆっくり歩いて帰りました。とても楽しい時間でした。( 説明はリーダーのトーマスさん)
 
 
Day 2 - 5月3日(金曜日) 18th Outdoor Origami Meeting
写真をクリックすると拡大画像と詳細が見られます
受付の様子
2日目の場所は、Szkoła Podstawowa nr 29 im. J. Matejki 小学校
ユースホステルから、徒歩10分のところにあります。
祝日のため、小学校を3日間貸し切りです。

手前の机には今日の教室の作品が置いてあるので、 習いたい作品が選べます。
8時半から受け付け開始。 展示も始まりました。

青柳祥子の展示を見る>>
他の参加者の展示を見る>>
タイムテーブル

ポーランド語と英語で書かれている。
スペシャルゲスト青柳祥子の展示

他の人の展示はスライドショーで。
 
9:30 〜 13:00
教室が全部で8教室、プラス自由に折るテーブルもありました。 私は45分の教室を3つ担当しました。
八重桜のお皿、りす、どんぐりなどを講習しました。


13:00 〜 14:00
 ランチ
小学校の給食をいただきます。 給食といっても侮れませんよ。
栄養たっぷりのスープ。メインディッシュそれからデザートです。
とても美味しかったです。(大学の学食のイメージです)
飲み物はいつでも準備されていて自由に飲むことができます。


14:00 〜 15:00
 エンターテイメントの時間
クリスティーナさんがリーダーになって何かが始まりました。 まずチームリーダーを一人決め、いくつかのグループに分けます。 2 枚の紙(大きな紙と小さい紙) とハンガリーのピーター・ブダイさんの折図が配られ、 作品「幽霊」を折らなければなりません。
今回のテーマ、ホリデイのスピリットが どうやら幽霊らしいです。 それぞれの幽霊が完成しましたが、なんとそれはあそべるおりがみでした。幽霊の腕を広げると頭の隙間にのせた丸めた紙がボールのように飛びます。
代表者は前に並び、順番に相手チームにボールを飛ばします。
点数は、自分のチームの人に当たった場合は5ポイントで、他のチームの人に当たった場合は10 ポイント。競争が始まり ました。結構な盛り上がりでみんなで楽しみました。
それが終わると、今回18回目の記念すべき誕生日なので特別に注文してつくられた バースデーケーキが登場し、みんなで分けていただきました。海外の方が多いので、それぞれの国のバースデイソングを自分の国の言葉で順番に歌いました。
 
16:00 〜 18:45 教室
7教室 私は5分の教室2つ担当しました。
シジュウカラとキューブ、切り株を教えました。
 
 

Day 3 - 5月4日(土曜日)

18th Outdoor Origami Meeting
 
小鹿を教えている様子

9:00 〜 12:30  教室
9教室 私は、45 分のクラスを2つ。
小鹿とハリネズミを教えました。

12:30〜 全体写真撮影

13:00 〜 14:00 ランチ



ハリネズミ
約1時間、英語でおりがみのことを話しました。
内容は自分の自己紹介から始まり、
どうして折り紙を始めたか、
おりがみの基礎が大切だということ、
お話折り紙を始めたきっかけ、
おりがみのおかげでいろんな出会いがあり、今まで経験できないことも 体験できて、今ここにいるなどなど....
最後に皆さんで簡単な折紙workshop をしました。

If you were fish, what kind of fish would you be?
もしあなたが魚だったら、 どんな魚ですが?


条件は魚の基本形から作り始めること。最後はすごい盛り上がりで、みんな自分がどんな魚か折ってもらい、自発的に前に出て自己紹介してもらいました。

無事終わってよかった~。これが終わるまで、実はかなり冷や冷やものでした。
   

15:30 〜 19:00
教室 

10 教室 私は1 教室担当、Teddy bear を教えました。
 

Day 4 - 5月5日(日曜日)

18th Outdoor Origami Meeting

9:00 〜 12:30
 教室
9教室。私は45分のクラスを2つ担当。
タンポポのお皿と スーツケースを教えました。

12:30 〜 13:00 ランチ

13:00 〜 15:30 あとかたずけ

ホテルに戻り、夕食そして、明日ワルシャワに移動のため、早めに休みました。
皆様に心温まるおもてなしをしていただき、楽しい出会いがたくさんありました。
今回わたくしに会いにポルトガルから4名、ハンガリーからも5名、そしてオランダの パウラさんも夫婦で会いに来てくれました。新しい出会いもたくさんあり、本当に楽しい日々でした。
みなさんありがとう!
 
5月6日~10日のレポート>>
 
 
 
© Shoko Aoyagi